ユーイングに関わる皆様へご報告です。
当クラブの創設者である、幅裕美さんが4/3(月)に亡くなりました。
お通夜は4/5(水)、お葬式は4/6(木)に美濃加茂市の葬儀場にて行われました。
連絡が行き届かなかったテニス関係の方、申し訳ありませんでした。
あまりに唐突な出来事で、驚いている方も多いかと思いますが、この場で過去1年の状況について綴らせて頂きます。
幅コーチは、2022年1月に検査入院の結果、白血病と診断。
現在までの約1年3カ月間、入退院を繰り返していました。入院前、当時76歳でありながらも、年齢を感じさせない動きや、意気揚々とした立ち振る舞いからなのか、誰もが幅コーチの年齢を忘れてしまいます。
そんな幅コーチが病気で入院することに対して、自身はもちろん、子どもたちも、「何が起きたか分からない。でもきっとすぐに戻って来る。」そんな状況でした。
最初の入院は2カ月、それ以降は1ヶ月のうちの1週間、最後の入院は3カ月。
常に動き続けていた幅コーチにとって、入院生活は「監獄」そのものだったと言います。
そして退院すると、真っ先にオンコートで子どもたちに熱心に指導をしてくれていました。
最初の退院後はさすがに少しキツそうに見えましたが、それ以降は病気を感じさせない、これまでどおりの幅コーチに見えました。
当時の私は、あまり無理をせずもっと休んで欲しいと伝えておりましたが、
幅コーチにとっては、1秒たりとも無駄にできない貴重な時間だったのだと今になって気付きます。
限りある時間の中で、子どもたちと接する時間、スタッフを指導する時間、前平公園にクラブハウスを作る構想を進めるなど、
最後の最後まで、未来を生きる人のために、使命感をもって動き続けてくれました。
「とにかく挑戦しろ、とにかく失敗しろ、とにかく経験しろ」
挑戦することの大切さや楽しさを、子どもたちに指導している幅コーチの姿がとても印象的でした。
子どもたちの練習の中で、挑戦を求められたとき、成功した子はもちろん、失敗した子も褒められていました。
一方で、挑戦しない子だけは、個別指導を受けます。挑戦しない子がなぜいけないのか。
「失敗を怖がってただ楽をしているから。楽ばかりしていると景色が変わらない。つまらない人生になる」と幅コーチは言います。
新しいことに挑戦する人と、そうでない人とでは成長速度がまるで違うことは周知の事実ですが、
これはスポーツに限ったことではなく、勉強などに関しても言えます。大人になれば仕事にも通じます。
多くの功績を残してきた幅コーチが、テニスの技術的な上達以上に大切にしていたことであり、私自身も強く共感しています。
2023年1月、幅コーチ自身、最後まで挑戦し続けました。
当時の身体の状況では成功率が低いと診断された移植手術でしたが、わずかな可能性にかけて手術を受ける選択をしました。
やり残したことがまだたくさんあったのだと思います。
それらを実現しようと、諦めず挑戦する姿を最後まで私たちに示して、幅コーチはこの世を去りました。
幅コーチの強い意志は、その炎を絶やすことなく、未来を生きる私たちがしっかりと引き継いでいきます。
長い間、お疲れ様でした。あとのことは任せて下さい。
ユーイングが設立から30年以上も存続していられるのは、前代表である幅コーチをはじめ、多くの方のサポートのおかげに他なりません。
今後も、多くのテニス愛好家の居場所としてあり続けられるよう、より素晴らしいクラブ運営を目指してまいりますので、何卒宜しくお願い致します。
美濃加茂テニスクラブ ユーイング 代表 佐藤大夢